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2021. 8

ワークショップ 家具々鹿々 高山市“村半” 

雨が降ったり止んだり不思議な天気の中、ワークショップが始まった。

場所は岐阜県高山市・村半。主に高山市の学生が利用する市営の施設だ。建物は築140年を超える大規模な町家で、地域の市民や学生が歴史を学んだり、交流する場となっている。ワークショップが決まる前、私が最初に訪れた時は小学生や中学生の元気のいい挨拶が聞こえた。

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​古材の魅力

今回のワークショップは古材で一輪挿しを作るというもの。柱や梁だった古材を鋸で切って、穴を開けて磨いて完成。試験管を指し、水を入れて花をいける。古材らしい古びた面と切って見えてくる真新しい面の対比が面白いワークショップになっている。新しい物が全て良いのでなく、古い物の良さも感じてもらえる内容にした。

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ワークショップに教育要素を

ただ今回は普通にものづくり体験ができるというワークショップではない。モノを作る、生み出す過程に作る人の意図を込める試みを行った。ただガイドラインに沿って作るのではなく、自分で考えて作るという少し複雑なワークショップだ。実際にどういうものか見てみよう。

 

①木を選ぶ

②オノマトペを引く

③木を切る

④穴をあける

⑤紙ヤスリで角を磨いて完成

 

・木を選ぶ

色々な古材の種類・太さがあり、好きなもの選ぶ。直感で選ぶ人もいれば、少し悩んで決める人もいた。

・オノマトペを引く

(オノマトペとは擬音語や擬態語のこと。ドンドン、カンカン、ワンワンなど、日常で使う表現。)

今回のワークショップの試みはココだ。自分が引いたオノマトペから、一輪挿しの形を考えて作る。聞いただけでは難しいと感じる。皆さん不安な顔と、お子さんはどういうことだろと疑問の顔になった。

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自分が引いたオノマトペを見て始めは悩んで作業に取り掛かれない。しかし、少しアドバイスをすると、ゾーンに入ったように集中して鋸で切っていく。段々と拘りが強くなっていく。途中でこうかなぁ、どうかなぁ、と考える場面もあったが、30分ほどで皆さん完成させた。できたものを一緒に見てみる。あっ確かに、ゴロゴロしてるな!ツンツンだ!と共感したり、拘りのポイントを話したりと、1つのコミュニケーションツールになっている。作った物に満足感を感じてもらえて、良かったとホッとした。

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​最後に

今回のワークショップを通して、デザインすることの一部を体験をしてもらえたと思う。デザインするということはもっと複雑な意味があるのだけど、1番分かりやすい形作るところを体験してもらえた。あらかじめ決められたキットや、完成された物を目指すのではなく、自分で考えて表現するということの難しさ、楽しさが伝わって良かったと思う。

​平城侑樹

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