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2021. 2

​Case2 年輪テーブル 子供テーブル

はじめて見たそのテーブルは、囲炉裏のそばで眠ったように置かれていた。

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思い出がつまったテーブル

使わなくなってずっと埃をかぶったまま、動かすにも重たく、使うにも厚い塗装が割れて危ない状態。80代夫婦の思い出がつまったテーブルだった。

しかし、手放すにしても捨てるにはもったないし、悲しい。かといって引き取ってもらうにはあまりにも大きく、都会の住居環境には適さない大きさだ。

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都会の暮らしの中にも自然の豊かさがほしい

「割ろう!」そう決めたのは岐阜県と京都府を仕事で往復する日々からだ。都会と田舎どちらも個々の良さがある。ただ都会の暮らしの中にも自然の豊かさがほしい。特に、子供には都会の喧騒ではなく自然の中でのびのびしてほしい。都会にも自然や遊び場はあるものの、公園は狭かったりボール遊びが禁止だったり、どこか制限のある空間が増えたように感じられる。自由な発想を育むためには、開放感や受け止めてくれる安心感が必要ではないかと思う。

 

年輪テーブルを割るというのはもったいないと言われるかもしれない。古い物を残すことが難しい時代になった為か、古家具は捨てられる一方です。それなら今にあったカタチで作り変えようと、サイズダウンを兼ねて3つに割り、新しい脚をつけることで一新した姿にした。

 

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置いてみると…思ったよりしっくりくる。一枚板テーブルの「古くさい」といった印象もなく、角が大きく丸いことで柔らかい雰囲気になる。もともと個性の強いテーブルだったが、艶をなくしたことで空間に馴染じみつつ特徴のある木目が愛らしく映えた。

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想像力を豊かに

この一家の子供達は、家に居るときはテレビを見ることが多いとのこと。驚いたことに、テーブルを置いたことでお子さんが絵を描いたり、工作したり、能動的に遊ぶことが増えたそう。親御さん曰く、リビングに「おもしろいモノ」が現れたことで想像力を刺激したのではないかと。偶然のことかもしれないが、子供の成長に良い影響を与えられたら嬉しい。

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古い家具、思い出の詰まった家具を永く使いたい方へ。物を大切にする活動に tirami はご協力します。

 

 

平城侑樹

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